● 南蛮胴具足(なんばんどうぐそく) 東京国立博物館蔵
胴は
鎬を立てたいわゆる
和製南蛮胴で、正面中央に「天」の文字、背中には富士山を
打出し、富士山には銀の
布目象眼で冠雪(かんせつ=頂上に積もった雪)までも表現しています。
また右胸のところに
青銅製の
髑髏が付けられており、
髑髏の両目の穴を
采幣付鐶の台座にしていたと思われます。
兜鉢は鉄の
打出しで
椎実形、前面に
兎耳形と
繰半月の
立物が付いています。
なお
兎耳形の部分は
兜鉢に接着されているため取り外しは出来ないそうですが、作られた時からそうだったのか、後に誰かが接着したのかについては不明です。
そのほかにも
銀蝋流しの
合当理、
揺絲の部分を布地にしたり、正面から背中側に行くにつれて
草摺の段数を減らしたり、
高紐に
真鍮を用いたりするなど、とても特徴の多い甲冑です。
(画像提供:東京国立博物館)