名 称 |
解 説 |
@:兜鉢(かぶとばち) |
頭を守る部分で、シコロとともに「兜(かぶと)/甲(かぶと)」を構成します。 兜は「頭鎧(とうがい)」とも言い、時代や作成する方法によって様々な種類が有ります。 当世具足に付属するものを特に「当世兜(とうせいかぶと)」と言う場合もあります。 |
A:吹返(ふきかえし) |
古くはシコロの両側が外方に反(そ)ったものでしたが、後には鉢付板の折返し部分となりました。 兜(かぶと)によっては付いていない場合もあります。 |
B:シコロ |
首を守る部分のことで、兜鉢とともに「兜(かぶと)」を構成します。 形状により様々な種類が有ります。 当世具足に付属するものを特に「当世ジコロ(とうせいじころ)」と言う場合もあります。 |
C:立物(たてもの) |
兜に付ける装飾のことで、「験金(しるしがね)」とも言います。 兜の前方に付ける物を「前立(まえだて)」・「前物(まえもの)」、両脇に付ける物を「脇立(わきだて)」・「横立物(よこたてもの)」、後方に付ける物を「後立(うしろだて)」、頭上に付ける物を「頭立(ずだて)」・「頭上立(ずじょうだて)」、兜の両脇から上までを覆うような物を「中立物(なかだてもの)」・「竪立物(たてたてもの)」と呼んでいます。 |
D:面具(めんぐ) |
顔を防御する物で、半首・面頬が有ります。
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E:垂(すが) |
「須賀」とも書き、「下(さ)げ」・「たれ」とも言います。 面頬の顎(あご)下に付いて喉(のど)から胸元までを防御します。 喉(のど)や胸元を護る防具には他に喉輪や曲輪なども有ります。 |
F:胴(どう) |
体を防御する物です。 通常、草摺を伴(とも)ないます。 作成方法や形状によって様々な種類が有ります。 「身甲」とも書きます。 |
G:揺絲(ゆるぎのいと) |
鎧の胴と草摺をつなぐ威糸の事です。 室町時代末期頃からこの威糸は徐々に長くなり、草摺がより自由に動くようになりました。 しかしその分無防御(むぼうぎょ)となったので、内側に鎖(くさり)などを敷いた物もあります。 |
H:草摺(くさずり) |
当世具足では「下散(げさん)」とも言い、腰から上脚部(じょうきゃくぶ)を防御します。 通常は揺絲を使って胴に直接連結されますが、腰韋附と呼ばれる形式のものもあります。 一片を一間(いっけん)と言い、当世具足では七間、大鎧では四間の場合が普通です。 「毛散(けさん)」とも書きます。 |
I:佩楯(はいだて) |
「膝鎧(ひざよろい)/膝甲(ひざよろい)」とも言い、大腿部(だいたいぶ)を防御します。 形状により様々な種類が有ります。 家地の部分に鞭差穴と呼ばれる切込みが開いている物も有ります。 「脛楯」とも書きます。 |
J:臑当(すねあて) |
下肢部(かしぶ)を防御します。 使われる板や篠の枚数は奇数が一般的ですが、偶数枚の物もあります。 形状により様々な種類が有り、内側下方にホ具摺が付いた物も有ります。 |
K:袖(そで) |
古くは「肩鎧(かたよろい)」とも言い、肩(かた)から二の腕を防御します。 左肩側を「射向の袖」、右肩側を「馬手の袖」と呼びます。 形状により様々な種類が有ります。 当世具足に付属するものを特に「当世袖(とうせいそで)」と言う場合もあります。 |
L:籠手(こて) |
二の腕・小手・手の甲(こう)までを防御します。 形状により様々な種類が有ります。 「手蓋(てがい)」・「手甲(てこう)」とも言います。 |
M:指物(さしもの) |
「差物」・「挿物」とも表記し、個人や部隊を識別(しきべつ)する目的で使用されました。 当世具足では通常、胴の背中にある受筒にさして使われました。 四半・四方・撓いなどの旗(はた)の他、作り物も用(もち)いられ、番指物・自身指物など沢山の種類があります。 なお旗(はた)の場合は竿(さお)を左側にした面が表(おもて)となります。 「旗差物(はたさしもの)」とも言います。 |
N:合当理(がったり) |
当世具足には欠かせない物で、指物を挿入する受筒の上部を支える部品のことを言います。 受筒の差込口が四角い形状のものを「角合当理(かくがったり)」、丸い形状ものを「丸合当理(まるがったり)」と呼びます。 その他姜合当理や板合当理と呼ばれるものも有ります。 「蜘蛛手(くもで)」・「指物金(さしものがね)」とも言います。 |
O:受筒(うけづつ) |
指物を挿入する筒です。 筒には四角と丸の形式があるほか、指物を二本同時にさす「二本指物(にほんさしもの)」用に二股(ふたまた)に分かれた筒なども有ります。 |
P:待受(まちうけ) |
指物を挿入する受筒の下部を差し込み、胴に固定するための部品です。 釘(くぎ)を使って胴に直接固定するもの、骸持と一緒に紐(ひも)で結び留めるもの、または骸持だけを使う場合などが有ります。 |
Q:鎧櫃(よろいびつ) |
甲冑を保管したり運んだりする時に使われる箱です。 箱の正面に「前」の文字が書かれていることが多いのですが、これは櫃(ひつ)の正面を表すためではなく、九字の最後の文字で、魔除(まよ)けの意味が込められているとされます。 「具足櫃(ぐそくびつ)」とも言います。 |