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226.三十二間筋兜桶側胴具足:(村上市郷土資料館蔵)

兜は三十二間(さんじゅうにけん=三十二分割)の鉄錆地筋兜で、前立の長い渦巻(うずまき)は「雲(くも)」だそうです。
残念ながら佩楯を欠いています。
227.六十二間筋兜二枚胴具足:(村上市郷土資料館蔵)

兜は六十二間(ろくじゅうにけん=六十二分割)の筋兜で、軍配を模(も)した大きな網代前立が目を引きます。
228.片町庚申堂所有具足:(村上市郷土資料館寄託)

と兜が残っているのみですが、どちらも特徴のある甲冑です。
兜は金漆箔の六枚貼り突パイで、耳の大きな獅噛前立が付いています。
青漆塗りで、中央に平蒔絵鍾馗を、その上には「丸に揚羽蝶紋(まるにあげはちょうもん)」を三つ描いています。
鍾馗にはなんともユーモラスな印象を受けます。
229.村上藩御貸(おかり)具足:(村上市郷土資料館蔵)

陣笠桶側仏胴御貸具足です。
一般的には「おかしぐそく」ですが、こちらでは「おかりぐそく」と言うようです。
の中央には村上藩(むらかみはん)、内藤家(ないとうけ)の裏紋である「」が大きく描かれています。
230.千人頭具足:(八王子市郷土資料館蔵)

八王子千人同心(はちおうじせんにんどうしん)の組頭(くみがしら)が着用したと言われる甲冑です。
江戸時代中期頃の作と言われていますが状態も良く、
には鼻紙袋が付いています。
231.桐崩紋骨牌札畳具足:松平春嶽所用(福井市立郷土歴史博物館所蔵)

松平春嶽(まつだいらしゅんがく)所用の畳具足です。
画像では分かりにくいですが、骨牌金には銀の布目象眼で桐(きり)の崩紋を描いています。
なお具足の下には鎖帷子を着て、さらに胸の部分に防弾用に鉄板を敷くようになっています。
(福井市春嶽公記念文庫・福井市立郷土歴史博物館所蔵)
232.黄唐茶糸威二枚胴具足:松平春嶽所用(福井市立郷土歴史博物館所蔵)

全体を黄唐茶の糸で威した甲冑で、兜は一枚の鉄板を打出し桃形兜とされます。
なお越前家(えちぜんけ)の甲冑ではこの画像のように一間(いっけん=一枚)の草摺を縦に分割して蝶番(ちょうつがい)で留める様式をよく目にします。
他家(たけ)ではあまり見かけた記憶がありませんので、越前家(えちぜんけ)特有のスタイルなのかもしれません。
(福井市春嶽公記念文庫・福井市立郷土歴史博物館所蔵)
233.熏韋威胴丸具足:(伝)松平忠昌所用(越葵文庫所蔵)

熏韋威胴丸具足です。
とても特徴的な兜は張懸と思われる変わり兜ですが、実際に何を象(かたど)っているのかはよく分かっていないそうです。
(越葵文庫所蔵・福井市立郷土歴史博物館保管)
234.茶糸威四枚胴具足:(伝)松平斉善所用(越葵文庫所蔵)

兜は鉄錆地蒙古鉢で、透かし彫りの山勢形頭立が目を引きます。
は両脇と背中の中央に蝶番(ちょうつがい)が入った変わった四枚胴籠手には手甲こそ付いていないものの二の腕は腕にそうようにアーチ状の板や菊(きく)の花のような座盤が交互に並ぶ、かなりしっかりとした作りになっています。
こちらも草摺は縦に分割して蝶番(ちょうつがい)で留める様式です。
(越葵文庫所蔵・福井市立郷土歴史博物館保管)
235.魚鱗具足:(越葵文庫所蔵)

一般的な鱗具足魚鱗札家地に綴(と)じ付けているのに対し、こちらは鉄を打出し状の魚鱗札同士を鋲(びょう)で連結する、足掻胴のような形式で作られています。
画像の大袖の他に当世具足風のも付属しています。
兜は唐冠形兜とのことで、鍬形脇立が付いています。
草摺を縦に分割して蝶番(ちょうつがい)で留めています。
(越葵文庫所蔵・福井市立郷土歴史博物館保管)
236.浅黄糸毛引威五枚胴具足:内藤重頼・頼郷所用(鉾持神社蔵 伊那市立高遠町歴史博物館寄託)

画像では見え難いのですが、祓立を「小さな竹の節(ふし)」の形にした珍しい兜です。
また兜には檜垣五枚胴形式のの下半分には「鱗紋(うろこもん)」を銀で描いている他、各札頭も銀が置かれています。
横から見ると「J」字型に前方に反り出し、先端が錨(いかり)のような形をした杏葉のような部分、正面の揺絲の下のみに敷かれた1段の板、佩楯家地の形状なども珍しく、装飾に凝(こ)った具足です。
237.紺糸毛引威二枚胴具足:内藤頼寛所用(東高遠諏訪神社蔵 伊那市立高遠町歴史博物館寄託)

紺の威糸が大変に鮮やかな毛引威の具足です。
前立は内藤家(ないとうけ)の家紋(かもん)である「下がり藤(さがりふじ)」と鍬形を組み合わせています。
238.紫糸毛引威二枚胴具足:御小姓具足(山田八幡宮蔵 伊那市立高遠町歴史博物館寄託)

内藤家(ないとうけ)小姓の具足と言われ、栄螺形兜に角(つの)の脇立が特徴的な具足です。
またの中央にはが立てられています。
これと全く同じ形の具足が13領確認されており、それぞれに弁当箱(べんとうばこ)や水筒(すいとう)、枕(まくら)などの付属品まで揃いで残っているようです。
239.黒羅紗亀甲縫三枚胴具足:松平昌親所用(個人蔵 福井市立郷土歴史博物館保管)

兜は向兎形兜は着物のように正面で左右の二枚を重ね合せる三枚胴で、形状も実際の着物のようになっています。
前後の中央には梵字を付け、全面に亀甲紋を描いています。
また揺絲を護るためでしょうか、普通は揺絲の下に置かれる腰鎖を表に出したような工夫(くふう)が見られます。
籠手手甲は西洋甲冑のガントレットのように指が分かれた珍しい形式をしているなど、非常に特徴の多い具足です。
240.青漆塗仏五枚胴具足:(個人蔵)

包仏胴仏五枚胴兜鉢青漆塗とした具足で、何と言っても朱漆塗りの水玉模様(みずたまもよう)に斬新(ざんしん)さを感じます。
その他にも草摺は上二段に銀箔を押し、下二段には猪(いのしし)の毛を植える、越中籠手手甲だけを朱漆塗りにするなど、デザイン性に富(と)みながらも実戦的な雰囲気を持った具足です。

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